つい最近、知り合いに頼まれて、学生向けに自分の過去の経験などを語る機会があった。
個人的にはそう言った機会はあまり好きではない。
なんというか、自分がどういう人間であれ、学生という身分から見ると経験の差が圧倒的で、ともすると、その人がどうすごいのかといったことをあまりよく吟味できずに、いろいろな物事を鵜呑みにし、その上で、定型句のように「貴重なお話、ありがとうございました」と言う。
そして、語ったこちらもまたその言葉を鵜呑みにし、自分の話す内容は価値があり、非常に有用であった、という有能感を必要以上に感じてしまう、自分の力を過信してしまう。そういう側面があるように思っている。
が、まあ、1年に1度くらいならいいかなと思って引き受けてみた。
そこで話の中に盛り込んだ内容は次のようなもの。
フィードバックの受け方(最近研修で自分が習った)
Do the right thingsとDo the things right(DeNAの南場さんの話)
GRIT(という名の根性)
Lerning How to Learn(という魚の釣り方)
EQにおける4象限の話(自分と他人、認識と管理)
幸福と成功の話(ドラマ監査法人の名台詞)
まあよかったかどうかはわからないから一旦置いておくとして、自分自身の振り返りにもなってよかった。
TDDで有名な和田さんがよく同じ資料を、2022年春版、のようにブラッシュアップして話しているのを見るけれど、あれと同じように、一定のテーマで話す時、積み上げたものをブラッシュアップする形で用意できると過去の考えとの気付きとかもあって良さそうだなとも思うので、その第一歩として今回みたいな機会があったのはよかったなあ。
学生向けに話した中で、キャリア理論で有名な、Planned Happenstance Theoryという考え方について触れた。というか触れることを資料準備で決めていた。
のだけど......予備知識として、Planned Happenstance Theoryで触れられている要素は最初期で語られているもので、その後は理論が発展していて、Happenstance Learning Theoryというものでより強調したい点が強調されているというところまでは知っていて、関連する論文も取り寄せていた。が、積読になること数か月以上が経過していた。
相手は学生で、しかも学術理解に富んだ参加者もいるということで、さすがに古い理論を表面だけ知った状態で話すのはまずい、と思い、優先度を最優先にして、しっかり資料を読んで当日を迎えることができた。
そこで思うのは、結局、いろんなものを積読にしたり、優先度をつけたりしたとしても、必要性を自分が認識できないとそれをやることはできないし、やっても必死さがなくて部分的にしか学習が促進されないのだよなあということ。
自分に対して必要性を促す、そう言った振る舞いができることが、今後の学習の伸びに影響しそうだなと、改めて思う機会になった。
いつもと違うことをするといつもと違う収穫があるね。
おしまい。